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2012年 10月 14日
漸くmixiからの移行ではなく、今現在の読書の記録。
角田さんの作品を読むのはもう何作目になるか…全部は読んでないんですけど、私の場合、角田さんのは作品によってかなり好みが分かれます。 今回の「ひそやかな花園」は私の中では★2.5くらい、かな。それでも読むのを途中で止められなかったのでやっぱりこれからも読ませていただきたい作家さんです。 ![]() ************* 何組かの家族が集まって毎年夏に行われていたキャンプ。 共通点は、子供が皆ひとりっこ。 子供たちはなぜか皆これがどういう集まりなのか何も聞かされない。親戚でもないし、家が近いわけでもないようだし、親同士が友達というわけでもない。宗教なんかでも無い。 あるとき突然キャンプは行われなくなり、不思議に思う子供たち。あのキャンプは一体なんだったのか、なぜ急になくなったのか、そして親は何故キャンプのことを忘れさせようとするのか。 … キャンプの正体は、小説の刺激に慣れている人ならばきっとそんなに衝撃的ということもない。 それを知って「家族っていったい何なのか、生ってなんなのか、自分の人生とは」と自らに問いかけることにこの小説の意味がある。 もしも、キャンプに参加していた母親たちのような選択肢が用意されていたら、自分がもし同じ立場に置かれていたら、どうだろう。 最近テレビで話題になったが、胎児の障害の有無を採血だけで簡単に調べることができるようになったことへの関心と批判。これもまた遠からぬ問題であるように思える。 ある人は命の選択を人間がしていいものかと言い、ある人は高齢出産だし不安が排除できるなら、将来のその子のためを思えば、と言い。 私自身は、大学生のとき授業でこの問題について知り、考えてみたことがあるがそのときも、そして子を持つ母となった今も答えが出せないでいる。 私も血液検査ではないが妊娠中に義母から羊水検査はどうするのかと問われたことがあった。 高齢出産ではなかったが、30を超えていて、若いわけではなかったからだと思う。 少ない可能性でも流産の恐れもある羊水検査をする気にはどうしてもなれなかったし(義母はそのことを知らなかったようだが)もしわかった場合に命の選択を迫られるのも怖かった。 せっかく宿った命を捨てることもできないだろうと思った。結果的に検査はしなかったが、それが私の答えだと言いきることもできない。 ただ、子供たちを見ていると、この子たちの存在を無かったことにする選択が自分の手の内にあったことを恐ろしくも思う。 帯に「きみが触るもの、味わうもの、ぜんぶ人と違う。きみがいなければ、きみの見る世界はなかった。」という本文の一部が載せられていて、どうしてこの一文をここに載せたんだろうとはじめは思っていたが、まさにこれがこの小説の言いたいことなんだと思う。 間違いだった生なんか無い、と言いたいんだと思う。
by hoshimoko
| 2012-10-14 05:59
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